”ループもの入門としての”カゲロウデイズ

ループものの作品はお好きでしょうか。

小説など、創作物のジャンルにループものってありますよね。

皆さんはループものに対してどのようなイメージがありますか。

 

私はループものが結構好きでして、面白いと思っているポイントとしては、

・試行錯誤の中で世界観や謎がだんだん解き明かされていくところ

・毎回違った視点から別のキャラの目線、展開を楽しめること

・試行錯誤の末の痛快な展開

などが挙げられます。

 

しかし最初はループものを敬遠していたところがありました。

最初に一つ思っていたのは、物語が動くまでが長いこと。

・長くてダレる

・途中で見なくなる

・繰り返しがつまらない

ループものの魅力が分かるまでに脱落してしまう人が、多々いるみたいなのですよね。

最後のは多分作品の構成が悪いとして、上2つは非常にわかります。筆者はだいぶせっかちな性格してると思う。

 

余談ですがループものの作品というのは、何度もゲームをロードして繰り返す、ような感覚があります。

私は気に入ったゲームでもそこまで繰り返し遊ぶことはあまりしないタイプです。

分岐があるゲームはなるべく効率よく進めようとしちゃう(効率厨)

例外はアクションゲームと伝説厳選中のポケモンパワプロポケのサクセスとかくらい。それもなるべくは一発勝負。

なんか、そういうスタイルのゲームプレイヤーだと、

ループってずるくね?と思ってしまいいまいち感情移入できないのでは、と思うところがありました。

 

そんなせっかちさんにもループものの魅力を端的に伝えるために、なにかいい方法はないものか…

そこで、ある動画を思い出しました。

 

カゲロウデイズだ。

カゲロウデイズとは

原作は2011年にニコニコ動画に投稿されたボカロ楽曲である。また懐かしいものを。

音楽作品ではあるが、歌詞に短いストーリー性を取り入れた作品として話題になった。

これを見れば4分でループものを体験できる。

 

なお、この動画を見た人の中には続きはないのか気になる人もいると思う。

作者のじん(自然の敵P)が出していたいくつかの楽曲はカゲロウデイズと繋がっているという設定になっていて、これらは、カゲロウプロジェクト(カゲプロ)と総称された。

おいおい風呂敷広げすぎて大丈夫かこのコンテンツと正直困惑したことを覚えている。

 カゲプロは当時中高生を中心に一時期絶大な人気を誇り、小説、さらにはコミカライズ、アニメ化まで果たしたボカロでも大ヒットしたシリーズである。

ちなみに音ゲーではカゲロウデイズを含めたカゲプロ楽曲がチュウニズムとmaimaiとグルーヴコースターに多数収録されている。

 

私は当時、友人数人をカゲプロにハマらせておきながら、メディアミックス版のストーリー展開があまり好みでなかったのでアニメ放送前くらいで冷めかけていたという思い出が…多分しばらくグロ展開がなかったせいだと思う

楽曲のストーリー(ネタバレ注意)

 

8月15日の午後12時半くらいのこと、

よく晴れた日の公園で、女の子と他愛のない話をしていた。

そこで女の子が撫でていた猫が逃げ出す。

追いかけた先の交差点の信号がちょうど赤に変わり、女の子はそこに突っ込んできたトラックに轢かれてしまう。 

陽炎が、「嘘じゃないぞ」と嗤う。

そうしてすべてが眩んだ。

 

目を覚ましたら8月14日の午前12時過ぎくらいであった。

同じ公園で見た夢を思い出した。

もう今日は帰ろうか、と手を引く。

公園を抜け道に抜けると、鉄柱が落ちてきて女の子の身体を貫く。

陽炎が、「夢じゃないぞ」と嗤う。 

そうしてまたすべてが眩んだ。

 

何度繰り返しても、女の子は悲惨な結末に遭い、すべてが眩み陽炎が嗤う。

 

もう何十年繰り返しただろうか。

 

少年はある一つの行動に出る。

それは、今までとは違う結末である。

あの交差点で、女の子を押しのけ飛び込んだ。瞬間、トラックにぶち当たる。 

 

陽炎は愕く。

そんな陽炎に、少年は「ざまぁみろよ」と笑って見せる。

実によくある夏の日がここで終わった。

 

8月14日の午前12時過ぎくらいであった。

目を覚ました少女は、「またダメだったよ」と一人猫を抱きかかえていた。

4分でわかるループものの魅力

たった4分の楽曲でループもののエッセンスを凝縮した楽曲。

悲劇的な結末を回避するために試行錯誤した末に、新たな展開を切り開く。

これぞループもののカタルシス無限ループってこわくね?

 

そうしてなにやら思わせぶりな終わり方。

なんというか、 これが壮大プロジェクトとして当時流行ったのもわかる気がする…

 続きあるって言われたら絶対気になるもの。

 

ちなみにグルーヴコースター版とmaimai版だと女の子にトラックが突っ込んできた後に女の子が「またダメだったよ」と呟いて終わる。

なんかストーリー変わってる。

チュウニズム版だとトラックが突っ込んできた後にトラックに突っ込んで実によくある夏が終わります。

こっちはまだストーリー分かるけど2分でループが終わったのは軽く衝撃だった。

ここまで早く終わるループものもそうそう無いんじゃないだろうか?

カゲロウデイズ 1 (MFコミックス ジーンシリーズ)

カゲロウデイズ 1 (MFコミックス ジーンシリーズ)