ちょっと検証してみたいことがあり、それ用の画像を作る必要があったので。
使用したソフトはCLIP STUDIO PAINT(PRO)。厳密にやるなら印刷関係のプロはみんな使ってるPhotoShopの方がいいと思います。フォトショ買うお金はないの…
手順
とりあえず新規ファイルと新規レイヤー作って全面をグラデーションで塗りつぶします。
塗りつぶしたレイヤーの上に色調補正レイヤー→階調化を選択し、よさげな階調を選ぶ。
これで虹色の階調グラデーションは簡単に作ることが出来る。
さらにこの上に、同じようにして作った黒のグラデーションを重ね、黒から変化するグラデーションを作るのですが…
単純に重ねると、このようになってしまいます。
確かに階調的なグラデーションにはなってるんだけど、等間隔じゃなくてもやもやする…
階調化レイヤーが2つあるのがいけないのかと思い、一つだけにすると…
思ってたんと違う…
最終的に、このレイヤー順にするのが正解っぽかった。
レイヤーフォルダを使うと、どうやら色調の影響範囲が変わるらしいことが分かった。
黒から白へのレイヤー群と、虹色を階調化したレイヤーをそれぞれグループに分ける。
黒から白のレイヤーフォルダグループの合成方法を乗算に設定する。
こうして黒から各色への変化を作ることが出来た。
乗算について簡単に説明すると、上のレイヤーのピクセルの色を下のレイヤーのピクセルの色とで掛け算するという合成方法。
赤(255,0,0)*黒(0,0,0)=黒(0,0,0)
赤(255,0,0)*緑(0,255,0)=黒(0,0,0)
赤(255,0,0)*白(255,255,255)=赤(255,0,0)
線の色が黒くなっているのがお分かりいただけただろうか。
最終的には黒は黒、灰は半透明、白い部分を透明として扱う感じになります。
次に、虹から白への変化を作ります。
普通であれば、黒→透明→白のグラデーションを重ねれば実現できそうですが、今回は階調化をしたいという目的があるためややこしいことに…
消しグラデーションをベースにしたツールを作り、作ったグラデーションを重ねた図。
これに単純に階調化を重ねようとするとこうなります。
また、先ほどのように乗算レイヤー化してみると、白が透明として扱われるため、白に変化する部分がなくなってしまいます。
どうすればいいのか…
いろいろ試してみたところ、レイヤーの合成方法を変更することで解決できそうであることが分かった。
先ほどの黒からのグラデーションの合成方法を加算に変更しました。
加算を使用すると黒い部分が白に、白い部分が黒く扱われています。
加算について簡単に説明すると、上のレイヤーのピクセルの色を下のレイヤーのピクセルの色とで足し算するという合成方法。
黒い部分が普通の色に近く、白い部分が白くなるのは、RGBって白の方が値が大きくなるからなんですね。
黒はオール0なのでいくら足しても色が変わらない。
レイヤー合成の仕組みが分かったところで、同じレイヤーには別の合成方法を適用できませんので、分ける必要が生じます。
上半分(白から虹)と下半分(虹から黒)で分けて考える。
下半分だけ白に塗ったレイヤーを作る。
レイヤーから選択範囲を作成し、透明から黒のグラデーションをかける。
乗算のレイヤーフォルダにまとめる。
次に上半分。
上半分だけ白に塗ったレイヤーを作る。
レイヤーから選択範囲を作成し、透明から黒のグラデーションをかける。
加算のレイヤーフォルダにまとめる。
上下に分けた乗算のレイヤーが二つ。
上のレイヤーフォルダを『加算』に変更すると…
想定通りのものが完成しました!
あとがき
色調補正レイヤーを使うならレイヤーフォルダが重要ですね…
いままでほぼ使ってなかった加算合成の仕組み、グラデーションの使い方、階調化レイヤーの使い方の勉強になりました。